監督や観客は、劇的な表情の変化、言葉の抑揚、感情が垣間見える挙動など、目に見える「成果」を求めます。しかし、俳優がそれらを直接的に操作しようとすると、説明的で嘘くさい芝居になってしまいがちです。
一流の俳優は、目には見えない要素を使って、確かな成果にたどり着きます。その代表的なものが、チェーホフテクニックで扱われる「エネルギー」または「エナジーボディ」です。「気(氣)」「オーラ」「プラーナ」、あるいはシンプルに「意識」「注意」「活力」と言い換えてもよいでしょう。
演技という身体表現において、エネルギーは欠かせない土台です。観客に何かを伝え、共演者と深く交流し、自身の存在感を放つための源泉となります。
本ワークショップでは、俳優にとっての「エネルギー」を捉え直し、よりダイナミックに観客や共演者と交流するための具体的なアプローチを探求します。
【レッスンの流れ】
【概要】
【講師紹介】
秋江 智文
演技講師・演出家・俳優・通訳 マイケル・チェーホフスタジオ東京代表
21歳でマイケル・チェーホフの著作『To the Actor』を読み感銘を受ける。25歳で渡英。英国アルテミス・スピーチ&ドラマスクールで学び『マイケルチェーホフロンドンスタジオ』校長グラハム・ディクソンに師事。日本でマイケル・チェーホフテクニックを体系立てて教えている。多くの海外講師を招聘、オンラインレッスンを企画するなど世界的レベルのテクニックを届けている。マイケル・チェーホフヨーロッパ(MCE)講師養成メンバー。 アクティングコーチギルド(ACG)理事、京都芸術大学非常勤講師、松竹エンタテイメント俳優スクール、ワタナベエンターテインメントスクール、株式会社フリー・ウェーブ、ポーラスター東京アカデミー、株式会社アンカットなどで講師。
【マイケル・チェーホフ(1891~1955)】
作家アントン・チェーホフの甥。近代演技術の父であるK.スタニスラフスキーの一番弟子。スタニスラフスキーはチェーホフを「最も素晴らしい俳優」と評している。モスクワ芸術座の看板役者として名声を得、第二モスクワ芸術座では演出家としても活躍。ロシア革命で亡命後ヨーロッパ諸国を回り、イギリスでスタジオを設立。アメリカに移りハリウッドでスタジオを開き、多くの俳優を育成。鋭い観察と経験から独自の演技テクニック(マイケル・チェーホフテクニック)を生み出し、 現在も世界の大学や演劇学校などで学ばれている。チェーホフの直接の指導を受けた俳優として、マリリン・モンロー、ユル・ブリンナー、クリント・イーストウッド、マラ・パワーズ、ゲイリー・クーパーなどがいる。またマイケル・チェーホフテクニックを学んだ俳優としてはジャック・ニコルソンやアンソニー・ホプキンズなどがいる。