演技の基礎は、「心と身体が自在に影響し合っていること」にあります。
しかし俳優であっても、日々の生活に追われるうちに内面が固まり、閉じてしまうことがあります。内面で何かを感じていても、それが動きや表情に反映されず、結果として自分の身体が動ける範囲でしか芝居ができなくなってしまうのです。だからこそ俳優には、日ごろから心身を整え、鍛えておくことが欠かせません。
ただし、俳優に求められる要素は、アスリートのように純粋にフィジカルなものではなく、瞑想のように内面だけを整えるものでもありません。俳優は「心身の調和の上に立ち、感情を豊かに用いながら、身体も存分に使う」という独自の領域に立っています。
マイケル・チェーホフ・テクニックでは、この俳優に不可欠な心身の連動を「サイコ・フィジカル・アプローチ」と呼びます。心と身体を結びつけ、自在に変化できるようにする多様なエクササイズがあり、この考え方が台本の読解や役づくりの大きな土台となっています。
レッスン内容
■1日目■
・イントロダクション
― 自身の課題や悩み、興味などを共有し、レッスンを通してアプローチしていきます。
・呼吸法
― 心身を調和させるために最も効果的な方法のひとつ。
・拡大&縮小
― チェーホフ・テクニックで最も基礎的なワーク。心身に自在な変化を与えることができます。
■2日目■
・センター
― エネルギーや行動の源を「思考・感情・意志」に分けて捉えることで、表現の幅を広げます。
・4つの動きの質
― 身体の質感を変えながらダイナミックに動かすことで、多様な情感を呼び起こします。過去やトラウマに直接触れないため、安全に取り組めるワークです。
こんな方におすすめ
対象者
演技の基礎を学びたい俳優
定員
8名
日程・時間
2025年12月13日(土)・14日(日)
開場 18:00 | 開始 18:15 | 終了 21:45
会場
K’Sスタジオ新館
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-6-3 ISOビル4階
受講料
12月13日のみ:5,000円
両日参加:9,000円
お申し込み
以下のフォームからお申し込みください。
https://www.michael-chekhov-tokyo.com/
【講師紹介】
秋江 智文
演技講師・演出家・俳優・通訳
マイケル・チェーホフスタジオ東京代表
アクティングコーチギルド(ACG)理事
京都芸術大学非常勤講師
21歳のときマイケルチェーホフ著『To the Actor』を読み、強く感銘を受けたことをきっかけに25歳のとき渡英。英国アルテミス・スピーチ&ドラマスクールで、チェーホフテクニックのサラ・ケーン(Sarah Kane)および、校長のクリストファー・ガービー(Christopher Garvey)に師事し、チェーホフテクニックやCreative Speechを学ぶ。またマイケルチェーホフスタジオロンドン(Michael Chekhov Studio London)の校長を務めるグラハム・ディクソン(Graham Dixson)に師事。帰国後ドイツ、ギリシャ、台湾などで学び続ける。マイケルチェーホフヨーロッパ(MCE)の講師養成プログラムの一員として、現在ではウルリッヒマイヤーホーシュ(Ulrich Meyer-Horsch)を師として、日本でマイケルチェーホフテクニックを専門に基礎から応用まで体系立てて教えている。松竹エンタテインメント俳優スクール、株式会社フリー・ウェーブ、ポーラスター東京アカデミー、株式会社アンカットなどで講師を務めている。