マイケルチェーホフテクニックで一番有名なツールである「サイコロジカルジェスチャー(心理的動作)」。役の内面(目的、心理、行動)を、からだを動かすことで役者が役の内面を体験し呼び起こすことができることです。
俳優が感情を高めようとするために、役の背景や行動の動機を知的に考えたり、俳優自身の経験や環境を役の状況に置き換えたりします。しかし、考えすぎてしまったり、稽古や本
番になると掴んだと思っていた感覚が消えてしまったり、同じような演技になってしまったり、日常でも役の感情が抜けなかったり、慣れていないと内面からのアプローチは難しさを感じる場合があります。
からだからのアプローチは、全身を使うことで強い感情や動機をダイレクトに感じることができ、からだだからこそ不安定な内面の在り方に流されることなく、動きの再現から安定して演技を見つけることできます。
▼レッスンの内容
<1日目|10月22日18:15~21:45>
サイコロジカルジェスチャーを行う上での要素を学びます。方向性、エネルギー、センター、動きの質感、準備、持続・保持、放射などを実践的にお伝えします。
<2日目|10月23日18:15~21:45>
サイコロジカルジェスチャーには、様々な種類があります。それをどのように見つけるのか、そしてリハーサルや本番にどのように応用させていくのか紹介していきます。
※使用テキストについては、受講者の状況を見て決定し後日お送りします。
▼マイケルチェーホフテクニック
マイケルチェーホフは、役者の創作現場をつぶさに観察することで、心と体のつながりを研究し続けた。彼のテクニックはこの「サイコフィジカル(心と身体)」を土台とし、動きを通して役に必要な感情を呼び起こしたり、演技を行う上での必要な要素を見つけたりする。その例としては、チェーホフテクニックで最も有名な「サイコロジカルジェスチャー(心理的動作)」である。全身を使った動きを使った、ジェスチャー(動作)を行うことで、役の行動や目的を見つけ、また身体化させ演技につなげる
役作りにおいて、自らの過去やトラウマではなく、想像力を使い役そのもの存在を見つけ、その役に変身していく。イマジナリィセンター(創造的核)やイマジナリィボディ(創造的身体)などのテクニックでこうした役作り方法を学ぶことができる。
そのテクニックはチェーホフの直接の教え子であるジョアンナ・マーリン、マラ
・パワーズ、グレゴリー・ペック達によって広められる。現在ではアメリカのマイケルチェーホフ協会(MICHA)はチェーホフテクニックを広める本拠地であり、マイケルチェーホフヨーロッパ(MCE)はヨーロッパを中心に広がり、世界中の学校やスタジオなどで学ばれ、プロの俳優などにも使われている。近年では韓国、台湾、シンガポール、中国などのアジア圏の学校やスタジオでも取り入れられている。
日本ではチェーホフの代表的な著作"TO THE ACTOR"は、日本語に翻訳されているが誤解も多く、また体系立ててマイケルチェーホフについて学べる場所は日本ではまだ少ない。
【講師紹介】
秋江 智文
演技講師・演出家・俳優・通訳
マイケル・チェーホフスタジオ東京代表
アクティングコーチギルド(ACG)理事
京都芸術大学非常勤講師
21歳のときマイケルチェーホフ著『To the Actor』を読み、強く感銘を受けたことをきっかけに25歳のとき渡英。英国アルテミス・スピーチ&ドラマスクールで、チェーホフテクニックのサラ・ケーン(Sarah Kane)および、校長のクリストファー・ガービー(Christopher Garvey)に師事し、チェーホフテクニックやCreative Speechを学ぶ。またマイケルチェーホフスタジオロンドン(Michael Chekhov Studio London)の校長
を務めるグラハム・ディクソン(Graham Dixson)に師事。帰国後ドイツ、ギリシャ、台湾などで学び続ける。マイケルチェーホフヨーロッパ(MCE)の講師養成プログラムの一員として、現在ではウルリッヒマイヤーホーシュ(Ulrich Meyer-Horsch)を師として、日本でマイケルチェーホフテクニックを専門に基礎から応用まで体系立てて教えている。松竹エンタテインメント俳優スクール、株式会社フリー・ウェーブ、ポーラスター東京アカデミー、株式会社アンカットなどで講師を務めている。
▼こんな人におすすめです。
・舞台上で考えすぎてしまう人
・心身がいつもバラバラになってしまう人
・自分の殻が破れない人
・身体や想像力をつかった自由なアプローチを知りたい人
・本格的な学びへの一歩が踏み出せない人
・安心した空間でワークを望まれる人
【対象者】
俳優の方
【受講料】
9000円
【定員】
8名
【日時】
・1日目|10月22日18:15~21:45
・2日目|10月23日18:15~21:45
【場所】
K‘Sスタジオ新館
※東京メトロ丸ノ内線 東高円寺駅より徒歩3分
〒1660003 東京都杉並区高円寺南1-6-3ISOビル4階
https://koenjiksstudio.wixsite.com/mysite/blank
【申し込み】
HPのAPPLICATIONからお申し込みください
https://www.michael-chekhov-tokyo.com/
【ガイドライン】
・参加して下さる俳優皆さんがワークショップに安心して参加出来る環境作りに努めて参ります。
・参加者を属性で判断せず個性を尊重し、立場を利用して暴言や威圧的な態度、言葉や言動、セクハラなど致しません。
・演技のレッスンという性格上、俳優同士の身体接触やバウンタリーを超える場合がありますが、俳優は自分の意志で拒否することができ、お互いの合意の場合のみで行われます。また講師が指導の一環で俳優の身体に接触する場合がありますが、この場合も俳優は拒否することができます。
・もし呼称、接触の可否、性別、過去の病歴などで講師に知っておいてほしいことがありましたらお伝えください。